新型コロナ、退院基準クリアしたものの再検査で陽性に? 【論文紹介】

新型コロナ、退院基準クリアしたものの再検査で陽性に? 【論文紹介】

一度検査が陰性になった後に再度陽性となることはあるのか。今回紹介するのは一度陰性になったのに再度陽性となってしまった新型コロナウイルス感染症患者についての報告です。武漢大学中南病院(中国)からの報告で、新型コロナウイルス感染症から回復した患者4例が、退院あるいは隔離解除されてから5〜13日後の再検査で、再び陽性反応を示したことがわかりました。

論文で紹介されている4例はいずれも医療従事者。勤務中に新型コロナウイルスに感染しています。男性2人、女性2人で年齢は30-36歳でした。症状は軽症〜中等度で、3例に発熱や咳嗽が認められました。全例でRT-PCR検査陽性であり、胸部CT画像検査にて肺炎の所見を認めました。その後、治療としてオセルタミビル75mgが12時間ごとに経口投与され、最終的に全例でRT-PCR検査で2回連続陰性が確認されました。発症から回復までの期間は12-32日間でした。

今回の退院または隔離解除の基準は、
(1)平熱が3日以上持続
(2)呼吸器症状の消失
(3)胸部CT画像で急性滲出性病変が著明に改善
(4)1日以上間隔を空けたRT-PCR検査で2回連続陰性
の4項目を満たす場合としています。

4名はこれらの基準を元に、退院または隔離解除となりました。その後も5日間は自宅隔離を継続していました。しかし、退院から5-13日後のRT-PCR検査で全例に陽性反応が確認されました。続く4-5日間で同じ検査を3回繰り返しましたが、すべて陽性で結果は同じでした。

ただし臨床症状はなく、胸部CT画像所見にも変化はみられませんでした。患者は呼吸器症状を有する人との新たな接触はなく、また家族も感染していないということです。

今回の論文からわかることとしては、新型コロナウイルス感染症から回復したと判定された患者の一部は、なお持続感染している可能性があるということです。なお、このような症例が退院後にどの程度感染拡大に関連するかは不明です。

今回、新型コロナウイルスの検査方法として広く用いられているRT-PCRは、本来陽性となるべきなのに間違って結果が”陰性”となってしまう可能性が十分あり、課題となっております。検体を採取する場所や方法も結果に大きく関わってきます。(→『新型コロナウイルス、検査するなら鼻or喉?』)いくら検査をしても、感染者からウイルスが含まれる検体を採取しなければ、当然検査は陰性となってしまいますよね。
とはいえ、比較的厳しく設定されている、現在の退院または隔離解除の基準をクリアしたとしても、退院後も一定期間持続感染している可能性があるということで注意が必要ですね。

参考:Lan L, Xu D, Ye G, et al. Positive RT-PCR Test Results in Patients Recovered From COVID-19. JAMA. Published online February 27, 2020. doi:10.1001/jama.2020.2783