N95マスクをしても新型コロナウイルスに感染した理由

N95マスクをしても新型コロナウイルスに感染した理由

N95マスクでも感染したのはなぜか。

そもそもN95マスクとはどのようなマスクなのか。空気感染を起こす病原菌は、0.5μm以下の飛沫核となり空気中を浮遊すると言われています。N95マスクは、最も捕集しにくいと言われる0.3μmの微粒子を、95%以上捕集できることが確認されているマスクです。いわば最強のマスクです。結核の患者さんなどを診察するときに使用しています。このマスク、特別なマスクなだけあって、装着方法も大切であり、我々医療従事者も指導を受けた上で、漏れがないようにしっかりと装着しています(正しく装着すると結構苦しいです)。

しかし、今回の新型コロナウイルス、N95マスクをしっかりと装着していたにも関わらず感染してしまった例がありました。

武漢市で2019-nCoV患者の調査を担当していた国の肺炎対策専門委員会のメンバーの一人であるGuanfa Wang氏は、N95マスクを着用していたにも関わらず、新型コロナウイルスに感染しました。

なぜ、最強のマスクであるN95マスクを着用していたのに感染してしまったのでしょうか。

その原因は「目」ではないかと、現在考えられています。

同じコロナウイルスで感染拡大によりニュースになったSARSにおいて、主に眼や口、鼻の粘膜の直接または間接的な接触で伝播しているとの報告がありました。(N Engl J Med 2003; 349: 2431-2441

中国・吉林大学眼科のCheng-Wei Lu氏らはWang氏が眼の保護具を着用していなかった点に注目し、SARSの際と同様に、新型コロナウイルス(2019-nCoV)が鼻や口の粘膜だけでなく、眼からも感染し得るとの意見が2020年2月6日付のLancetに発表しました。

感染者と接触後に眼をこすったかどうか、そのような病歴まで含めて、感染のリスクを検討する必要があるかもしれません。
インフルエンザ対策などと同様のことですが、感染予防のための手洗いを皆さん徹底しましょう。

参考文献

LANCET “2019-nCoV transmission through the ocular surface must not be ignored”