ドクターX season 6 第2話

ドクターX season 6 第2話

第2話の医学的、外科的要素としては、遺伝性attrアミロイドーシス、ドミノ肝移植がありましたね。

これらについて解説していきたいと思います。

 

・遺伝性attrアミロイドーシス

もともと、家族製アミロイドポリニューロパチー(FAP)と呼ばれていた疾患概念です。

トランスサイレチン(TTR)の遺伝子変異による常染色体優性遺伝です。アミロイドという蛋白が全身の臓器に沈着し、臓器不全を起こすものです。

トランスサイレチン(TTR)は正常であれば、血中でTTRのまま安定化しますが、異常トランスサイレチンは、血中で不安定となり、アミロイドという蛋白となり、放出されます。それらが各臓器に沈着する病気がアミロイドーシスです。異常トランスサイレチンが遺伝性に発生するものが遺伝性ATTRアミロイドーシスや家族製アミロイドポリニューロパチーとよばれる疾患です。

今回のドラマでは、肝臓に沈着し、肝アミロイドーシスとして肝障害をきたした肝臓に対して、根治的な治療として肝移植を行うというものです。

遺伝性アミロイドーシスによりアミロイドが沈着した肝臓を元通りにするには、肝移植が唯一の根本治療となります。

肝移植については過去に記事を書いていますので読んでみてください。

今回はただの肝移植をテーマにとどまらず、ドミノ肝移植を題材にしています。

 

・ドミノ肝移植

一般的に上記疾患の遺伝性ATTRアミロイドーシス、FAPで適応となります。

健康な二色由理の肝臓の一部を切って、FAPの二色寿郎に移植し,そこで取り出された二色寿郎の肝臓を,より早期の移植が必要な肝臓癌である古沢研二に移植しています(下図)。

まるでドミノのように移植されますので、ドミノ肝移植と言われます。

 FAP患者さんの肝臓は、アミロイドとなる異常トランスサイレチンを作る以外、肝機能は正常であり、FAP肝移植のときに取り出した肝臓が、より重症の肝臓疾患の患者さんに移植できる可能性があります。ドミノ肝移植により、FAP患者の肝臓を移植された方は一部に、手術後10年弱で、アミロイドーシスが生じ始めていますが、まだ初期であり、今後再肝移植が検討されるということもあります。これにより、ある意味完全正常な肝臓ではないけれども、一命は取り留め、再移植など次の選択肢を考えることも可能となります。