熱中症の症状とややこしい分類

熱中症の症状とややこしい分類

熱中症、熱射病、熱疲労、熱失神・・・・

熱中症に関連する用語はいろいろあって、混乱してしまうこともあるでしょう。

それもそのはず、熱中症は臨床症状で分類する方法、重症度で分類する方法、病態で分類する方法など、熱中症の中にも名称がいろいろあるのです。
誤解を招かないためにも一度言葉を整理しておきましょう。

臨床症状による熱中症の分類

#熱射病
中枢神経障害を伴う最重症
古典的熱射病と運動性熱射病に分けられる
 ①古典的熱射病
  高齢者が長時間、暑い環境にさらされて発症する。
  発汗はあまりなく、脱水の程度はそれほど強くないことがある。
  死亡率は運動性よりも高い。

 ②運動性熱射病
  若年者が激しい運動をしたときに急性に発症する。
  発汗は多量で脱水も強いことが多い。
  体温を迅速に下げれば死亡率は10%以下と低い。

#熱疲労
体温は40℃未満。中枢神経症状はない。
倦怠感、ふらつき、嘔気、嘔吐、頭痛、口渇などの症状。

重傷度による熱中症の分類

Ⅰ度熱中症(熱けいれん、熱失神に対応)
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
意識障害はなし
 →現場で対応可能

 Ⅱ度熱中症(熱疲労に対応)
頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
 →医療機関での診察が必要。

 Ⅲ度熱中症(熱射病に対応)
下記の3つのうちいずれかを含む
 ①中枢神経症状がある(JCS≧2、小脳症状、痙攣発作)
 ②肝・腎機能障害がある
 ③血液凝固異常がある
  →入院加療が必要

 一番大切なのは『熱射病かどうか』

いろいろな名称がありますが、熱中症を疑ったとき一番大切なのは、最重症である熱射病かどうかを適切に判断して、すぐに体温を下げることです。最初の30分から1時間が特に重要とされています。

体温が40度以上あるかどうか。意識障害があるかどうか。

これが最重症である熱射病かどうかを判断するポイントです。

体温40度以上で意識障害があればすぐに入院です。

体温が40度未満だが意識障害がある場合、現場ではおそらく高かっただろう体温が、その後40度以下になってもおかしくない経過であった場合は熱射病と考える必要があります。そうでない場合は別の疾患を考える必要もあります。

体温が40度以上だが意識障害がない場合は、基本的に熱疲労を考えますが、合併症のリスクは高いので採血などで慎重に評価した方がよいとされています。

思わぬ状況で気付いたら熱中症になっているケースも少なくありません。また、持病や内服薬によっては熱中症になりやすい場合があります。

熱中症になりやすいタイプについてはここから確認

くれぐれも水分摂取を心がけ、疑わしい場合はすぐに対応できるようにしておきましょう!