『これを食べれば認知症にならない』という食べ物はあるか?

『これを食べれば認知症にならない』という食べ物はあるか?

食べれば認知症にならなくなるという食べ物はあるでしょうか。
世の中には様々な定説が流れていますが、本当に証拠はあるのでしょうか。
今回紹介するのは、認知症と食事内容の関連性で、追跡期間が極めて長い貴重で大規模な研究です。

研究を行ったのは、フランスの大学。8000例以上の対象者を25年間も追跡して検討されました。
食事内容と認知機能との関連を示唆するような研究はこれまでもいくつかありましたが、追跡期間が不十分であり、しっかりとしたエビデンスが確認された研究はまだありませんでした。

食事内容の調査は食事摂取頻度調査票から11項目の食事内容のスコアを示す『代替健康食指数(Alternate Healthy Eating Index : AHEI)』を用いておこなわれました。

1991-3年の時点で認知症が認められなかった8225例を対象に研究は行われました。平均年齢は50歳前後です。
約25年の追跡の間で認知症を発症したのは344例でした。
そこで、1991-3年、1997-99年、2002-04年におけるAHEIスコアを求めて、認知症の発症との関連を統計学的に確認したところ、認知症発症率とは関係が無いことがわかりました。

以上より、食べ物と認知症の発症の関係を検討したけれど有意な関連は認められませんでした。食事内容としてAHEIという指標を用いてますが、食事内容を個別に検討するのはあまりに大変なので現実的ではないので、食事内容の評価としてはこれが限界でしょう。

ということで、認知症を予防する画期的な食事はいまのところないようです。

この研究のすごいところは25年も追跡したというところ。ここまで長期間追跡した研究はなかなかありません。

この手の研究で、異なる結論を導くさまざまな研究が存在するのは致し方ないことです。さまざまなその他の要因が溢れいている中で、直接的な因果関係の有無を示すのは極めて難しいことです。すべての対象者の背景を揃えることは不可能ですし、全世界のヒトを対象に研究することも出来ないので、研究結果にはそれぞれ偏りがあるでしょう。
その数ある研究を、より確かな研究に重み付けをしながら参考にしていくことが大切です。
今回紹介した研究は、数ある研究の中でも、追跡期間が長いという点でより確かな情報を提供してくれる研究でしょう。

また面白い研究があれば紹介していきたいと思います。

JAMA. 2019 03 12;321(10);957-968.