7人に1人が低出生体重児、日本では増加

7人に1人が低出生体重児、日本では増加

体重245gで生まれた女の子の赤ちゃん「セイビーちゃん」が無事に退院したことで話題になっております。
退院時には約2500gに成長したということですので、医療技術の発達に驚かされました。

245gというと「超低出生体重児」となりますが、一般的に、2,500g未満で生まれる児のことを低出生体重児と呼びます。
今回、過去最大規模のデータ数を用いて、低出生体重児の割合についての最新の研究が報告されました。
研究グループは、148カ国から2億8100万件を超える出生に関するデータを収集し、解析しています。低出生体重児の数は、2015年には世界で約2046万人で、出生数全体のおよそ7人に1人(14.6%)に相当することが今回の研究で明らかになりました。
その低出生体重児全体の約4分の3を、南アジアとサハラ以南のアフリカの2地域が占めていることもわかりました。

 

全国の低出生体重児の割合 (Lancet Glob Health. 2016 Feb;4(2):e98-e108.より)

 

また、2015年の低出生体重児は2000年の17.5%と比べて減少していることがわかりました。しかし、WHOが掲げる2025年までに低出生体重児の割合を2012年から30%低減させるという目標を達成するにはまだまだ不十分であったとのことです。気になる日本ですが、日本は9.5%で、2000年の8.6%から増加していることがわかりました。

 

2000-2015年にかけての低出生体重児の割合の変化 (Lancet Glob Health. 2016 Feb;4(2):e98-e108.より)

 

さらに、解析したデータ量は過去最多でありましたが、そのほぼ半数が高所得国からのデータであった点や、低出生体重児の割合が高いサハラ以南のアフリカや南アジアから得られたデータが13%しか占めていない点など、今回の解析にはまだ限界があると述べられています。実際、世界の約3人に1人が出生時の体重の記録がないことも指摘されています。
さらに正確なデータの解析は今後必要となるでしょう。

低出生体重の要因としては、極端な妊娠年齢や多胎妊娠、分娩合併症や妊娠高血圧症候群など、またマラリアなどの感染症、栄養状態、空気汚染などの環境要因、喫煙や薬物使用などが考えられています。中所得以上の国では早産が主な原因とされていますが、低所得国では、子宮内での不十分な発達が主な要因と言われています。

毎年世界で亡くなる新生児のうち、80%以上は低出生体重児と報告されています。低所得国での低出生体重児の割合が高いのは事実ですが、中所得以上の国でも決して低くはありません。
セイビーちゃんのニュースなど、超低出生体重児の話題が少しでも身近になってきた今、全世界で2000万人以上に上る低出生体重児の問題にも目を向けて、各国が取り組んでいきたいものです。

Lancet Glob Health. 2016 Feb;4(2):e98-e108.