朝食を食べないと早死する?
- 2019.05.18
- 日常生活の豆知識

皆さん、朝食は食べていますか?朝食が心臓血管系に与える影響についての報告です。
朝食を全く食べないと、毎日食べる場合よりも心血管死のリスクが高いことが明らかになりました。
朝食は1日の中でも重要な食事と考えられているが、朝食を抜くことの健康上の影響に関する研究は少ないです。エビデンスは不十分であるが、朝食の欠食は、過体重/肥満、脂質異常症、高血圧、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、冠動脈心疾患、脳血管疾患のリスク上昇と関連することが示唆されています。
「どのくらいの頻度で朝食を食べるか?」という質問に対する回答を「全く食べない」、「たまに食べる」、「時々食べる」、「毎日食べる」の4つのカテゴリーに分類しました。
朝食を全く食べない参加者は、心血管死のリスクが高く、朝食を全く食べない参加者の総死亡は1.19倍、心血管死は1.87倍でした。
また、朝食を毎日食べる参加者と比較して、朝食を全く食べない参加者の心疾患による死亡のリスクは有意ではなかったが、脳卒中による死亡のリスクは有意に高かったです。
朝食の欠食がどのように心血管代謝の異常を引き起こし、最終的に心血管死へとつながるのかを説明しうる機序として以下のものを挙げている。
・朝食の欠食は、食欲の変化や満腹感の低下と関連し、これはその後の過食とインスリン感受性の障害へとつながる可能性がある。
・朝食の欠食は、絶食の時間が長くなるため、視床下部-下垂体-副腎系(HPA)の、ストレスとは無関係の過活動と関連し、朝の血圧上昇につながる。朝食の摂食は、血圧を低下させる助けになることが報告されており、それにより血管の閉塞、出血、心血管イベントが予防される可能性がある。
・朝食の欠食は、例えば総コレステロールやLDLコレステロール濃度の上昇など脂質濃度の有害な変化を誘発する可能性がある。
ダイエットのために朝食を食べないという方もいるとは思いますが、食べて痩せるが長期的にみたら理想的ですよね。
J Am Coll Cardiol. 2019:73:2025-32.
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