妊娠中の喫煙で乳児の突然死リスクが◯倍に増加

妊娠中の喫煙で乳児の突然死リスクが◯倍に増加

妊娠中の喫煙。自分自身だけでなく赤ちゃんへの影響は無視できないでしょう。自分に対しても赤ちゃんに対しても悪影響を及ぼしそうですよね。

 
妊娠中の喫煙によって、胎児の発育遅延が生じたり、早産や流産、前置胎盤などのリスクも2-3倍に増加したりすることが知られています。また催奇性については様々な報告がありますが、妊娠中の喫煙が生後の神経発達障害を引き起こす可能性があるという報告などがあります。
 
さて、今回この妊娠中の喫煙が赤ちゃんに及ぼす影響について、新しい報告があったのでご紹介します。
 

乳幼児突然死のリスクについてです。

 
今回紹介する研究はアメリカのシアトルで行われた解析で、アメリカのおよそ2000万の出生児を解析して、妊娠中の喫煙が出産後の児の予期せぬ突然死に及ぼす影響について調査されました。
 
解析対象は具体的には2007-11年の2068万5463例の出生。そのうち乳幼児突然死は1万9127例で認められました。乳幼児突然死とは、特定できない原因、ベッド内での偶発的な窒息や絞扼による1歳未満の死亡と定義されています。
 
母親の喫煙状況ですが、母親の11.5%が妊娠3ヶ月前に喫煙しており、8.9%は妊娠中も喫煙していたことがわかりました。
 
解析の結果、母親が妊娠中に喫煙していた場合、1本も喫煙しなかった場合と比較して、統計学的に検討すると、乳幼児突然死のリスクは2倍以上増加することがわかりました。たとえ1日に1本しか吸っていなかったとしてもリスクは1.98倍になり、さらに20本/日までは本数が増えるに従ってリスクは直線的に増加していくことがわかりました。
 
また、喫煙していた母親において、27-40週までに減煙できた場合や禁煙でいた場合はリスクが軽減されることがわかりましたが、一方で、妊娠3ヶ月前に喫煙していて、1-13週までに禁煙したとしても、非喫煙者と比較すると乳幼児突然死のリスクが高いことがわかりました。
 
妊娠中の喫煙というと明らかに赤ちゃんに悪そうだなというイメージはありますが、今回出産後の突然死という新たなリスクが報告されました。解析対象症例数も非常に多く、説得力があると思います。乳幼児突然死によって毎年多くの乳幼児が命を落としています。その一部が、妊娠前の禁煙によって救うことができる可能性があります。妊娠の前から赤ちゃんを守るためにも、妊娠を考えたら事前に禁煙しておきましょう。
 
Pediatrics. 2019 Apr;143(4). pii: e20183325.