医師国家試験予想問題シリーズ:腸閉塞シリーズ
- 2019.02.04
- 医師国家試験予想問題

※このシリーズでは、内科医・外科医で国試の予想問題を載せていきます。ただ知識の重箱の隅を突くような問題ではなく、臨床的な観点から非常に重要であり、かつ、総合的な知識が必要な問題を心がけています。
次のうち、正しいものを選べ。
①食物繊維の積極的摂取は腸閉塞の予防になる。
②上腸間膜動脈症候群では小腸壊死の危険が高い。
③絞扼性腸閉塞の診断に、単純CTが有用である。
④術後腸閉塞に対して芍薬甘草湯が有効である。
正解:③
解説
①食物繊維は腸閉塞のリスクになります。きのこ、果物(特に柿)、こんにゃくなどもリスクです。
②上腸間膜動脈症候群は大動脈と上腸間膜動脈の角度が急峻であるため、その間を走る、十二指腸が首締められるような状況です。それより口側が異常に拡張します。小腸壊死するのは上腸間膜動脈塞栓症です。
③もちろん造影CTは必須ですが、絞扼性腸閉塞により、虚血になった腸管は浮腫状になり、静脈のバックフローがなくなるので血腫様になります。血腫はCTの吸収値が上がるので、単純CTでも腸管壁が高吸収となり、絞扼性腸閉塞を示唆する所見となります。
④術後腸閉塞に対して、大建中湯という漢方薬をよく使います。芍薬甘草湯はこむら返りに有効です。
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