ロカボダイエットは死亡率を上昇させる?

ロカボダイエットは死亡率を上昇させる?

低炭水化物ダイエットというと最近良く耳にしますし、みなさんもトライしている方もいるのではないでしょうか?実際私もトライして大きく体重を減らすことができました。

栄養素には3大栄養素というように、炭水化物・タンパク質・脂質が重要です。炭水化物は1日に250-800g摂取されます。タンパク質は食事より30g、消化酵素として20g、その他体内細胞の脱落として15-30gなので、合計65-80g摂取されます。脂質は日本人で1日25g程度摂取します。

それぞれのカロリー比は、炭水化物:タンパク質:脂質=4kcal:4kcal:9kcal(1gあたり)です。日本人の食事摂取基準2015年版によると、カロリー比は次のように目標設定されています。
炭水化物:タンパク質:脂質=50-65%:13-20%:20-30%
バランスの良い食事が良いのはもちろんですがこの比率を守ることが健康にはよいと考えられています。

ちなみに有名なHarris-Benedictの式という摂取カロリー予測の式があります。それによりますと、基礎代謝は以下のとおりになります。

男性 [66.47+13.75×体重+5.0×身長 - 6.76×年齢]
女性 [655.1+9.56×体重+1.85×身長 -4.68×年齢]


この計算結果に以下のような基準で分類し、数値をかけます。
 寝たきり:1.0 、歩行可:1.2、労働:1.4〜1.8
これの結果が全必要カロリーとなります。


なぜ炭水化物を減らすと体重が減りやすいのか。炭水化物は体の中で最初にエネルギーを消費するために使われるものです。これはイメージが湧くと思います。そして、血液中にある炭水化物が減少してくると、今度は組織に貯められている炭水化物、すなわちグリコーゲンがエネルギー源に変換されて使用されます。これも少なくなってくるといよいよ脂質が分解されて、最終的には糖(エネルギー源)になって使用されます。低炭水化物ということはより早く脂質をエネルギーとして使ってもらうように仕向けているということです。なので即効性はあります。リバウンドしやすいというのは取り始めるとまた枯渇したグリコーゲンとしてすぐ貯蔵されるからです。
そして最近は炭水化物が悪だとさえ感じてしまうような表現をされていることも目にします。

そこで、今回の研究は、炭水化物摂取が少ないことと死亡率の関連についてのものです。
炭水化物由来のエネルギー摂取量が少なすぎても多すぎても死亡率が上昇する結果となっております。炭水化物によるカロリーが40%未満、70%より多い場合は死亡率が高くなり、50-55%で最も死亡率が減少したそうです。さらには、炭水化物のカロリー分を動物由来の脂肪やタンパク質(ラム肉、牛肉、豚肉、鶏肉)に置き換えた場合は死亡率が上昇し、植物由来のもの(野菜、ナッツ、ピーナッツ、バター、全粒粉パン)に置き換えた場合は死亡率が低下したそうです。

この結論は、低炭水化物ダイエットの食生活は死亡率が上がることを示唆しますが、特に死因などの明記はされておりませんし、少なくともまだお若い方がこのダイエットをしたからすぐに死んでしまうとはいいにくいとは思います。しかし、最近の女性のように体重を減らしたいあまり低炭水化物の偏食を続けると、何かしらでの死亡リスクが上昇する可能性はあります。

現実的には、肥満もだめですし、糖を取りすぎても糖尿病のリスクがあがります。
最近太ったと感じたり、痩せようとして低炭水化物ダイエットで即効性をもってダイエットすることは悪いことではないと思いますし、肥満も死亡リスクが一般的に上昇します。なので、ある程度目標を達成できたら徐々に上記のバランスのいい栄養摂取をすることが重要なのかなと思っています。


The Lancet Public Health : August 16, 2018 , Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis

栄養素の代謝などの説明は詳しくは書きませんでしたが、ご希望がありましたら連絡ください。