「豆まきのまめ」が血圧に及ぼす効果

「豆まきのまめ」が血圧に及ぼす効果

鬼は外!福は内! 今年も節分がやってきましたね!
豆まきで私達がまく「大豆」は、古くから日本で親しまれてきた食材であり、栄養価も高く、健康メリットが期待できると非常に注目されています。 今回は、少し前の論文ですが、「大豆」と「高血圧」に関する論文を紹介したいと思います。

40-69歳で血圧が正常な方々を対象に、その後5年後にも血圧測定を行った4000人以上を対象とした研究で、大豆製品の摂取量と血圧高値の関連性について検討されました。

これまでの研究では動物実験などで、大豆製品に含まれるイソフラボンに降圧作用があることが報告されています。大豆製品が血圧に与える影響においては様々な研究がこれまでなされていますが、研究毎に結果が異なっており一定の見解は得られておりませんでした。 今回紹介する研究も、大豆と高血圧に関する研究でありますが、「一般住民」に対して特に「発酵性大豆製品」が数年後の血圧に与える影響を調べた初めての研究になります。

大豆製品の摂取量から3つのグループに分けて検討しています。 すると、大豆製品、あるいは大豆製品中のイソフラボン摂取量(日単位)で比較しても、5年後の血圧には影響が見られませんでしたが、発酵性大豆製品、あるいは発酵性大豆製品中のイソフラボン摂取量(日単位)で比較すると、摂取量が多いグループで高血圧発症のリスクの低下が認められました。 血圧に影響を与えうるその他の因子(性別、年齢、BMI、喫煙、飲酒などから、野菜、果物、魚、食塩の摂取量など様々な因子)の要素を統計学的に処理しても、有意に高血圧発症率を下げることがわかったということでした。

大豆に含まれるイソフラボンには平滑筋の増殖を抑える効果があり、血管壁の肥厚を抑制するという報告があります。 イソフラボンは体内に摂取されると、腸内細菌などの作用によって、アグリコン型イソフラボンとなり、腸管から吸収されることが知られています。納豆などの発酵性大豆製品ではアグリコン型イソフラボンが多く含まれていることが、今回の結果に関係があるのでは、などといった考察がなされています。

大豆の血圧に関する論文、はたまた大豆と癌に関する論文など、大豆に関連する論文は調べれば調べるほど山程みつかります。今回紹介したのは大豆と血圧に関する数ある論文の中の1つ。 対象とするグループ、大豆製品の定義、血圧の評価法、血圧に関するその他の因子の入れ方など、研究方法によっては結果が異なってくる可能性もあります。特に、同時に摂取していたかもしれない降圧作用のある食事内容などの影響を考え始めるとキリがありません。

本当に正しいことを示すのは、非常に難しいのですが、ひとつひとつの研究結果は非常に意味のあるものです。とはいえ、より真実に近づくためには、今後の研究の蓄積、そしてアジアも含めたより大規模な研究が求められるでしょう。

J Nutr. 2017 Sep;147(9):1749-1756