男性脱毛症は隔世遺伝?
- 2019.01.28
- 日常診療の落とし穴

男性脱毛症について、昨日あのヒカキンさんが動画を出していたため、遺伝について少しわかりやすく書いてみました。
まず発毛が抑制されるメカニズムは次のとおりです。

このように2つの因子が影響しています。
それぞれについて見ていきましょう。
まず遺伝子は、男性はXY、女性はXXという染色体で決められます。優性というのは異常遺伝子が1つでもあれば発病、劣性というのは2つそろって初めて発病といったイメージです。
アンドロゲン受容体活性が強いX遺伝子についての遺伝形式は下図のようになります。

生まれた男性の遺伝子組み合わせが赤く囲ったところです。1/2の確率でアンドロゲン受容体活性が強いX遺伝子を持つ→祖父がアンドロゲン受容体活性が強いX遺伝子を持っていれば半分の確率で遺伝します。
5αリダクターゼ活性が強い遺伝形式は下図のとおりです。

上記2つの遺伝にて脱毛の可能性が変わって来ます。
なので、よくいう母の祖父がハゲならハゲやすいというのは半分あっていますが、5αリダクターゼ活性の遺伝形式によってはもっと確率が上がっている可能性もあるということです。
よく男性脱毛症に対して処方される「プロペシア」というおくすりですが、これは5αリダクターゼを阻害する作用機序です。これによってジヒドロテストステロンが減少するといったものです。
実際にはこれだけではなく、生活習慣などなどいろいろなことが絡み合って起こるものなので、遺伝だけで絶望せず、気をつけられることから気をつけていきましょう。
少し難しい話だったかもしれませんが、噛み砕いて書いてみました。
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