「注射前の赤ちゃんによしよしするとラクになる」は本当だった。

「注射前の赤ちゃんによしよしするとラクになる」は本当だった。

赤ちゃんが不安になったり、泣いたりしているときに、皮膚を撫でると泣き止む。
医療処置の前に赤ちゃんを優しく撫でると、痛みが軽くなる。

これ、ほんとにほんとかも。

乳児に対して採血をする前に、約3cm/秒というゆっくりしたスピードで皮膚を優しく撫でると、乳児の疼痛に関連する脳活動が低下して、鎮痛効果をもたらすことが示されたという論文がありました。

乳児30例を対象に刺激前に

①低速度(3cm/秒)で撫でる
②高速度(30cm/秒)で撫でる
③そもそも撫でない

の3つのグループに割り振り、脳波を測定することで、採血の際の刺激に対する乳児の反応を観察しました。 その結果、低速度(3cm/秒)で撫でた場合(①)に、そもそも撫でないグループ(③)と比較して、痛み刺激によって誘発される脳活動が低下したことがわかりました。 一方、高速度(30cm/秒)で撫でた場合は(②)は脳活動の有意な低下認められませんでした。

この結果を踏まえて、さらに、別の乳児32例を対象にして、

①採血直前の10秒間に3cm/秒で撫でる
②そもそも撫でない

の2つのグループに振り分け、採血に対する反応性を観察しました。 すると、やはり採血直前の10秒間に3cm/秒で撫でた(①)場合に、痛み刺激に対する脳活動の低下を認めました。しかし、逃避反応(=逃避反射)についても観察をしましたが、こちらは差が認められなかったとのことです。

ちなみに「3cm/秒」の根拠ですが、3-10cm/秒で撫でる刺激がC触覚神経線維の活性化に最適な刺激と言われています。この感覚のC線維は痛み刺激を伝達する役割を持つ一方で、「心地良い」と感じるための信号を伝達する役割を有しているのです。

なんとなく、注射される赤ちゃんがかわいそうで、なでなでしたりすると思いますが、 撫でるときはゆっくりと(3cm/秒)撫でるのが良いかもしれない、という研究でした。

非常にユニークな研究ですね。これからも赤ちゃんはゆっくりやさしく撫でていきましょう。

Curr Biol. 2018 Dec 17;28(24):R1380-R1381.