1回でもいいから大腸カメラで検査しよう

1回でもいいから大腸カメラで検査しよう

大腸癌発症, 大腸癌による死亡率について、下部消化管内視鏡検査を行い異常なし判定の群と、内視鏡を受けなかった群で比較した。陰性判定から10年後以降も、大腸癌発症リスクと死亡リスクは同年代の一般住民より有意に低かったと報告した。米国の大腸癌スクリーニングに関するガイドラインは、内視鏡によるスクリーニングで異常なしと判定された患者が、再度スクリーニングを受けるのは10年後でよいとしているが、この推奨を支持するエビデンスは限られていた。
対象は大腸癌リスクレベルが平均的な例(大腸癌、炎症性腸疾患、家族性ポリポーシス、大腸腺腫、大腸ポリープと診断されたことがなく、大腸癌または大腸切除術の家族歴はなく、便潜血検査を含む大腸癌スクリーニングを受けたことがない人)。

内視鏡を行わなかった群の大腸癌発症率は、内視鏡異常なし群と比較して、1年目で約25%程度、10年超えでも約60%程度低かった。
平均的なリスクの人が内視鏡検査で陰性と判定された場合には、大腸癌発症と大腸癌死亡のリスクは、検査から12年を超えても、非スクリーニング群に比べ有意に低かったため、ガイドラインが推奨している再スクリーニングの時期は支持されると結論している。今後は、再スクリーニングを早めに実施した場合と、遅めに実施した場合の、利益とコストを検討する研究が望まれると結んでいる。



今回の報告では、共変数補正といって、より2群の潜在的な差がなくなるように統計学的に検討した結果であることだと思います。一般的に後ろ向き研究はバイアス(偏見、恣意)がかかりやすいと考えられていますので、あまりエビデンスは高くありません。共変数を補正することで、バイアスが補正されるので(統計学的に)、やや信頼できる結果となりえます。

実際、臨床現場で大腸癌は非常に多い癌ですし、2018年のがん罹患数では第1位です。また、たとえStageIV(遠隔転移)があったとしても手術の適応が非常に大きい、他のがんとはやや異なる性質のものでもあります。大腸内視鏡検査は、下剤も辛いですし、検査中も非常に不快であることは私達医師も重々理解しておりますが、それらを加味しても行うことの利点が非常に大きい検査です。CT検査も精度はよくなってきてはいますが、早期癌や予後の良いレベルで発見するには、内視鏡検査には勝りません。今回の報告では1度検査すれば、10年後の発症率が低いという一見当たり前とも取れる結果ではありますが、下部消化管内視鏡検査の強みをより強化するものであります。最近は内視鏡に特化したクリニックなどもありますし、是非一度でいいので検査をしてみることをおすすめします。特に大腸癌というのは遺伝しますので、血縁者で大腸癌の方がいらしたら、是非。

JAMA Intern Med. Published online December 17, 2018.